「にじつなカード」は、代表理事予定者・赤木きぬ子が開発に関わってきた、対話と心理的安全性を育てるコミュニケーションカードゲームです。

にじつなカードは、医療・介護従事者のチームづくりから生まれた、心をつなぐための対話型カードゲームです。普段は話しにくい価値観や感情を、カードをきっかけに自然に言葉にできるよう設計されています。
目的は、単に仲良くなることではありません。お互いの違いを認め合い、報告・連絡・相談がしやすい関係の土台をつくること。感情労働が多い現場で、安心して話せる関係を育てるための実践ツールです。
にじつなカードで育つこと
心理的安全性
否定されずに話を聴いてもらう体験を通じて、安心して言葉にできる土台をつくります。
対話力
正解を当てるのではなく、なぜそのカードを選んだのかを話すことで、相手の見方を知る力が育ちます。
共同体感覚
自分が受け入れられ、チームの一員として役に立っているという感覚を育てます。
報連相のしやすさ
困ったときに相談できる関係の下地をつくり、問題の早期発見につなげます。
基本の使い方
- 3〜5人程度のグループでカードを1セット用意します。
- カードを混ぜ、1枚を選んでグループのテーマにします。
- 残りのカードを配り、テーマとつながると感じるカードを各自が選びます。
- 順番に、なぜそのカードを選んだのかを短く話します。
- 聞く側は、割り込まず、否定せず、うなずいて聴きます。
大切なルール
- 自由に話してよい。カードを選んでも、話したくないことは話さなくてよい。
- 相手の話に割って入らない。否定しない。
- うなずいて聴き、話し終えたら拍手で受け止める。
- 深い自己開示を強制しない。安心して話せる範囲を本人が選ぶ。


参加者の声
実際ににじつなカードを体験した介護職・チームメンバーの声です。読みやすさのため一部表記を整えていますが、できるだけ参加者の言葉そのものが伝わるように掲載しています。
感情は敵ではなく、心強い相棒になると知れた
感情というものにはあまり関心がなく、焦点を当てることすら考えにない状態でした。福祉の仕事に携わるなかで、自分でも驚くほど気持ちと行動が伴わず、次第に心が疲弊し、自分という存在すら説明できない状況になっていました。
そんな時に、にじつなカードに出会いました。取り組みの中で、各テーマごとに物事を言語化する作業を通じて、自分自身がどのような感情、価値観で物事を考えていたかを知る機会になりました。同じ感情でも、話す状況、聴く状況、内容、環境によって何通りにも変化するのだと感じました。
人との価値観の共有には、安心する気持ちや発見がありました。純粋に、感情ってこんなに面白いものなんだと感じました。自分自身の変化として一番大きかったのは、感情は敵ではないと認識したことです。感情を知り、気づき、向き合い、正しく扱うことで、自分の心強い相棒になると知れたことです。
相手の価値観に触れると、指示出しや相談がしやすくなった
グループをまとめたり、指示を出すことが多かったのですが、人見知りの性格もあり、指示出しがとても苦手でした。あまり接点のない相手に対しては、特に遠慮やモヤモヤを感じていました。
でも、にじつなカードを通じて相手の価値観に触れ、大切にしていることを知ると、少しずつ相手の考え方がわかるようになり、接し方に戸惑いが減ってきました。相手を身近に感じ、指示出しも驚くほど楽になりました。
特に目上の方とも、カードを通じて話すと「肩書き」という壁が消え、一人の人間としての等身大な姿が見えてきました。相手の人間らしさを知ることで親近感が湧き、今では以前よりもずっと素直に相談できるようになっています。
聴いてもらう体験が、深い安心感になる
にじつなカードには、「話の最中は遮らず否定せずに聴く」「終わったら拍手をする」というルールがあります。傾聴の大切さはこれまで何度も学び、自分なりに理解していたつもりでした。
しかし、実際にカードを通じて周りにじっくり聴いてもらう体験をすると、想像以上に心が温かくなり、「ありのままの自分を認めてもらえている」「ここで話をしてもいいんだ」という深い安心感に包まれるのを肌で感じることができました。
頭で理解するだけでなく、身をもってその心地よさを体感できたことは、私にとって大きな収穫です。この経験から得た気づきを、これからは利用者さまへの対応にもしっかりと活かしていきたいと感じています。
多職種連携でも、相手の背景を知る一歩になる
同じ職種同士であれば、価値観が近く、「あうんの呼吸」で物事を進められることも多いです。一方で他職種となると、まるで理系と文系ほどに考え方が違うこともあり、時にはコミュニケーションのすれ違いに悩むこともありました。
今回、にじつなカードの取り組みを通じて、相手の価値観を知り、意外な共通点を見つけられたことは大きな一歩でした。お互いの考え方の背景に触れることで、心の距離がぐっと近づいたように感じます。
円滑な多職種連携を築いていくためにも、こうした心の通い合う取り組みは、今後さらに重要になっていくと強く実感しました。
聴く姿勢が、日常の関わりにも自然に出るようになった
私は普段、あまり自身のことを人に話すことは少なく、話すことも得意ではないと思っています。にじつなカードを初めて職場で行った時、出たお題に何を話そうかと構えてしまうかと思えば、周りのうんうんと聴く姿勢に、言葉がスラスラと出てきました。自分でも、こんなことを思っていたんだと思うようなことを話していました。
何度かにじつなカードを行う機会があり、回数を重ねるうちに、自分自身の聴く姿勢、うなづきが、普段でも自然と行えていることに気づきました。
今は職場が変わり新しい環境の中にいますが、変わらず話を聞く際はうなづきながら聴いています。すると、職場の皆さんも刺激を受けて同じように聞く姿勢がよくなり、とてもいい環境で働くことができています。
研修での活用例
- 新人・中堅・管理職のコミュニケーション研修
- 多職種連携の相互理解ワーク
- チームビルディング、心理的安全性づくり
- 訪問看護・介護施設・福祉事業所での職員研修
- 看護学校・専門学校での対話学習
- ケアラーズカフェなど、ケアする人同士の対話のきっかけづくり
外部で確認できた活用例
奈良県社会福祉協議会の広報紙では、ケアラーズカフェでにじつなカードを用い、参加者同士の対話のきっかけとして活用されていることが紹介されています。また、柏崎総合医療センター看護部の公開資料では、看護管理研修の中でにじつなカードを使った共同体感覚の体験が紹介されています。
カードの仕様
- カードは22種類
- カードサイズは約66mm × 120mm
- ケース、袋付き
- 公式ページで遊び方を確認できるQRコード付き
ファシリテーター養成について
前身スクールでは、にじつなカードを用いたファシリテーター養成講座も案内されていました。協会では、研修現場で安全にカードを扱える進行者を育てるため、ファシリテーター養成・中級・上級といった段階的な学びの整理を進めています。正式な制度公開までは、個別にお問い合わせください。

